ひとまず読了

花の回廊―流転の海〈第5部〉 (新潮文庫)花の回廊―流転の海〈第5部〉 (新潮文庫)

新潮社 2009-12-24
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第1部から長い年月が経っているので、一気読みすると宮本さんの筆致の変化が見事に分かる。
もの凄くテンポがあった第1部に比べて、中盤あたりからの説教臭さ(^_^;)と言ったらもー、
最近の宮本さんの書かれるものそのまんまだった(当たり前か)。
で、やっぱり富山県民なので第4部に触れずにはいられない。
妻子と熊吾を引き離す話を書くために、富山という地を出したのだろうか。
高瀬という冒険が出来ない男の登場には、確かに富山県民を象徴していると思うのだが、
とにかくずーっと裏日本の鉛色の空が本文を覆っている様には房江さんじゃなくても滅入ってくる。
でも今の富山は湿気こそ高いけど、そんな空になる冬の日は珍しくなった。
ま、それでも房江さんはヤダヤダって思っただろうなぁ。
第6部は只今「新潮」で連載中らしい。ホントにこれが最後になるんだろうか。
伸仁が20歳になるまであと××年、それまで生きていられるだろうか。
○○はきっと、これからも△△だろう。□□は多分、◎◎なのではないか。
ってな感じで、いつものようにぽーんと放り出す終わり方じゃありませんように・・・。


ググったら1990年に森重久弥氏が熊吾役となって映画化されたとなっていた(第1部のみ)。
20年ぐらい前とはいえ、もうかなりのじーちゃんじゃなかったのか。
こんなエネルギッシュな役が出来たんかいな。
でもって辻堂役は佐藤浩市!こっちは観たい・・・。
小説が完結すると、違うカタチで映像になるんだろうか。
第5部でのノブちゃんがいきいきと動いているところが観たいなぁ。